かけあし旅行記

とある会社員のおでかけ記録

インド旅行その4~ジャイプール観光・アグラまでの長い道のり~

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!

今年の正月休みは2日しかないので、普通の休日と変わりません・・・では去年のインド旅行記の続きをどうぞ!

<12月21日>

宿の屋上にレストランがあるので、そこで朝ごはんをいただく。バナナクレープとホットチョコレート。結構美味しかったです!ご飯がおいしいことも宿のポイントアップですよね。

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屋上からの眺めも結構いいです。市内観光に期待を膨らませて、9時過ぎにチェックアウト。正直1泊はもったいないくらい良い宿=Sunder Palace Guest Houseでした。

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この日の予定は、日中はピンクシティと呼ばれるジャイプールを観光し、17:10発の列車でアグラへ向かうというもの。インドに来てから名所を回るような観光をしてなかったので、新鮮な気持ちで観光出来るかなと期待しながらジャイプール駅へ向かい、荷物を預ける。半日預けましたが16ルピーと激安。ちなみに荷物を預ける際に係員にチョークで荷物に番号を書かれてしまうので、勝手に汚される点は注意です(笑)

 

荷物を預けようと列に並んでいると、一人の男が声をかけてきました。

男:ねぇねぇ、ジャイプールの市内観光しない?

俺:(あーきたよ、めんどくさい)観光はしたいけどちょっと待って。先に荷物を預けたいんだよ。

男:そっか、OK。じゃあそこで待ってるね。

俺:(んん・・・?なんか押しも弱いしおとなしい・・・)

 

男:ねぇねぇ、ジャイプールのどこ行きたいの?行きたいところ連れて行ってあげるよ。1日400ルピーで。

俺:(まぁまぁ良いお値段。でもどうせ後で値段が倍になるパターンだろこれ)ホントに1日400ルピーで良いの?

男:いいよ。今日列車に乗るの?何時発?

俺:17時ぐらいだね。16時までには帰ってきたいんだよ。出来る?

男:出来るよ。

俺:(なんかデリーとかバラナシの人たちと雰囲気違う。騙す気が感じられない・・・)

男:自分はちゃんとしたドライバーだよ(と言って、ライセンスカードと営業用の名刺を見せる。そしてこっちが話すまでじっと待ってる)

俺:(しっかりした名刺だし、何か悪そうじゃないし・・・よし、こいつに騙されてみよう!)OK!ホントに400ルピーだね?

男:もちろん。じゃあオートリクシャ―で回ろう。行きたいところを言ってくれ!

 

この人になら騙されても良い、そう思ってリクシャ―に乗り込んだ。

 

途中簡単な市内の説明を聞きながらリクシャ―は走り、トリボリア門の近くで下車。まずは風の宮殿から観光スタート。正面は立派ですが、奥行きがなく、薄いのが特徴。風の宮殿もそうですが、街全体がこの壁の色をしているからピンクシティと呼ばれているそう。

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チケット売り場は正面の裏手にあり、こんな小さな窓が一つだけあります。見つけるのに苦労した・・・

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ジャイプールを観光するなら、7か所共通チケットの購入がおススメです。地球の○き方では5か所になっていますが、窓口で買ったら7か所共通で400ルピーになってました。共通チケットと言っても、ただのレシートですが(笑)時間が限られているので、行きたいところだけ回ることにします。

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チケットを購入し、いざ内部へ潜入。インド人の観光客がけっこういました。

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綺麗なステンドグラスもあります。

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上層部は見晴らしも良いです!1時間くらい平気で過ごせるくらい、見所が多くありました!

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続いて風の宮殿から徒歩で行ける、ジャンタル・マンタルへ。18世紀前半にインドの天文学がどのように行われていたかうかがい知ることが出来ます。

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中に入ると結構な大きさの観測儀たちがデデーンと。現代美術のオブジェのようです。

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これはラグ・サムラート・ヤンドラ。なんと20秒単位で時間が測れます!

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影になっている部分をアップにするとこのように、細かい目盛がビッチリ。すげぇー

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チャクラ・ヤントラ。惑星や星の位置を測定するんだそう。

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ナリ・ヴァラヤ・ヤントラ。太陽が北半球or南半球のどの位置にあるかを測定したもの。

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サムラート・ヤントラ。最初に紹介したものの大きいバージョン。何と2秒単位で測定できるらしい!18世紀にインドでそんなことしてたのね!と感心してしまいました。ここでも結構時間を使い、気がつけば12時を回っていました。

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ところで、ジャイプールにはいくつかの門が街にあります。それぞれが違っていて、しかも繊細な模様があって、かなり綺麗です。時間があれば門だけでも見て回りたいくらい。

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迷いながらリクシャ―の運転手を見つけ、次はアンベール城へ行くことに。途中、お決まりのお土産屋さんに連れていかれました。質感も悪くなかったので1000ルピーのストールみたいなのを購入。お店の御好意でショウガ入りのチャイを出され、警戒しながら飲みましたが、睡眠薬が入っていることはなく、普通に美味しかったです(笑)睡眠薬が入っていて寝てる間に身包みはがされるなんて事件もあるのでビビっていましたが、杞憂でした・・・

 

また、道中に水の宮殿があり、写真を撮らせてくれました。撮りながら紳士なインド人にも絡まれ、インドの感想とか、日本のいいところとか聞かれた。同じインドでも地域によって人々の性格というか雰囲気の違いが感じられる瞬間でした。

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野良のラクダを見つけて歓喜している間にアンベール城に到着。着いたころには13時を回っていて相当お腹がすいていたので、城の入口にあるレストランで昼食。またもやターリー。150ルピーなり。味はまずまずでしょうか。でもお腹いっぱい食べられるので満足です。こういうところでは水が無料で出てきますが、お腹が心配な人は飲まない方が無難でしょう。もちろん飲んでません。そしたら通りすがりのインド人に勝手に飲まれました(笑)

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腹ごしらえもすんだところで、ジャイプールで行きたかった場所No.1のアンベール城へ。アンベール城はラージプート族が建てた城です。城の規模が日本の比じゃない。そのスケールにまずビビります。

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階段を結構上った先に入口があるということなので、サクサク登ります。途中動物のう○こがあるので注意(笑)お水などは色んな箇所で買えるのでご安心を。

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登った先には大きな広場!でかい!圧倒されます!

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ここはディーワーネ・アームと呼ばれる一般謁見の間。

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世界で最も美しい門、と言われるガネーシャ・ポール。モザイクの精緻さに見とれてしまいます。

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これがジャイ・マンディル(勝利の間)の壁面。一面に鏡がちりばめられ、その美しさは言葉にできません。シーシュ・マハルと呼ばれているそう。

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アップでどうぞ。こんなの今まで見たことありません!

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余りに綺麗なので、もう1枚どうぞ(笑)

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庭園も手入れされていて、美しいですね。

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スク・ニワースと呼ばれる歓喜の間には、細かな装飾が施されています。

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女性たちが暮らしたとされるザナーナー・マハル

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このほかにも見所満点で、来た甲斐がありました!アンベール城は必見です。

 

結構疲れてしまったので、ちょっと早いけどアンベール城からジャイプール駅まで直帰することに。途中市内の大渋滞にはまってしまったので、結果的に良い時間に駅に帰ってくることが出来ました。そして、肝心の代金ですが・・・

 

400ルピー+チップの50ルピー

 

でした!少々不満そうでしたが、決して文句を言わず、約束通りの金額でOKでした。インドは地方に行くほど良い人が多いと聞いていましたが、すでにジャイプールの時点でだいぶ良い人が多いですね。インドの面白さはこういうところにもあると思います。

 

さて、ここからはインド初の鉄道の旅です。ジャイプールからアグラまで241キロ、予定では4時間20分の旅になります。インドの鉄道は編成量数が長いので、電光掲示板でどのあたりに自分の号車が止まるか見つけないとスムーズに乗れません。しかも乗る直前で変わる場合もあるので要注意。

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柱が邪魔ですが、駅には売店も沢山あり、24時間営業の食堂もあります。ご飯に困ったらここですね。

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お水を買って列車を待っていると、何と定刻通りに来ました!

ジャイプール17:10→アグラ・フォート21:30 列車番号12196/Aii Af Intercity 乗車クラス:CC

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乗車クラスのCCはAC Chair Carの意味で、エアコン付きの座席車になります。この列車に1両しかありません。他の車両はSleeperといって3段ベッドの寝台車になり、インドらしさが味わえる車両ですが、エアコン付きがどれくらい快適なのか検証するためにCCに乗りました。車内はこんな感じ。ぼろい特急ですね。壁から電源を取れる席もあります。シートピッチは広め、座席のクッションはぺちゃんこでしたが、インドクオリティなら合格です。

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定刻通り出発し、車掌にプリントアウトしたチケットを見せる。誰もCleartripのPassbookを使ってなかったので、多分通用しないと思います。車内はチャイとお菓子の売り子さんが来るので、チャイを注文。10ルピーなり。

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乗客は9割インド人、1割外国人といった具合。特にすることもないのでウトウトしながら過ごしていました・・・

 

が、

 

途中駅でGPSを使って現在地を確認したところ、

 

列車が遅れている

 

交換待ちが多いし時間も長いなぁと思っていたら、予想的中でした。まぁ1時間くらいで済むだろうと軽く見ていましたが、出発から3時間経った時点で

 

まだ残り半分ある

 

という事態に気づく。あ、これは結構遅れるやつか・・・。余りに暇すぎてローミングのネットを解禁し始める次第。

 

アグラに着いてから晩御飯を食べる予定だったので特に買いこんでおらず、成田で買った板チョコの残り、ジャイプール駅の売店でお釣り代わりにくれたネスレのチョコ、車内で買った小さなLayのポテチで飢えを凌ぐことに。ヤレヤレです。日付が変わらないうちに着いてくれ!とかすかな希望を抱きつつ到着を待ちます。疲れも次第に溜まってきて、終点のアグラ・フォート駅に着いたのは

 

翌日の0時30分!

 

残念、望みかなわずでした。所定4時間20分のところ、3時間遅れてくれました。遅れた原因は交換待ちと、濃霧でした。冬のインド北部の霧は相当ひどく、交通機関が乱れまくります。そして、明日も霧に苦しめられることになります。

 

アグラ・フォート駅に着く前から考えていたことがありました。

 

「霧がすごい。宿までちゃんとたどり着けるのか?リクシャ―乗るのにまたバトルかよ。しかも霧じゃ相手も強気だろうなぁ・・・」

 

そして駅を出て、リクシャ―の交渉を始めるも、予想通り、相場の3倍以上吹っかけてきます。でもここで野宿は嫌なのでゴネまくり、200ルピーで妥結。これでも相場の2倍以上ですが、これ以上争う気もなく出発しようとしたところ、イスラエル人カップル(以下イスラエルと表記)がやってきて相乗りを申し込んできた。

 

イスラエル:おーい、何処のホテル行くんだ?俺たちはここに行きたいんだが。

ドライバー:お、そこか、こいつの宿と近いね。

イスラエル:よし、じゃあ乗せてくれ、いいだろ?

俺:(彼らも他で交渉に苦戦していたのを見ていたので)ああ、いいよ!3人だと狭いけど大丈夫?

イスラエル:大丈夫!料金だけど、3人乗るから1人100ルピーで合計300ルピーでどうだ?

俺:もちろん

ドライバー:ああ

 

そんなこんなで出発しました。あたりは霧が濃すぎて前方50mが見えないくらい。そしてくっそ寒い。泊まる宿の話やタージマハルについて、インドについて話しながらリクシャ―は進むが、ドライバーの態度がなんかウザい。俺の泊まる宿に対して苦言ばっかり言って、イスラエル人が泊まる方はべた褒め。嫌な予感しかしない・・・

 

先にイスラエル人の宿について彼らが先にチェックイン。明日は観光楽しんでねーと、ドライバーも気さくなキャラを演じていた。が、自分の番になると豹変してウザいインド人全開でかかってきた!

 

ドライバー:さぁ、着いたぞ。チェックインするぞ。

俺:ああ、わかった。で、料金を先に払いたいんだが。

 

ドライバーはシカトする。宿のおじさんは優しそうで助かる。チェックインを済ませ、説明を聞き部屋のカギを受け取る。この時、宿代を支払ったがお釣りがないとのことで、翌日ちゃんと貰うことを約束する。部屋に行こうと荷物を持った時、奴が声をかけてきた。

 

ドライバー:おい、明日観光するなら俺が案内してやろうか?1日400ルピーで回ってやるよ。

俺:いらん。自分で行くよ。

ドライバー:400ルピーだよ。安い安い。行きたいところと飯とお土産屋さんも連れて行ってやるからさ。

俺:どうせ霧で見えないんだろ。さっき自分で言ってたじゃん。時間もあんまりないし、遠慮しとく。

ドライバー:ちぇっ(舌打ち)。じゃあ今日の金をくれ。200ルピーだ。

俺:は?100ルピーだろ?何言ってるのお前!?

ドライバー:200ルピーの約束だろ?

俺:1人100ルピー、3人で300ルピーの約束を彼らとしただろ。ふざけんな!

ドライバー:彼らからは100ルピーしかもらってない。だからお前が200ルピー払え!

俺:知るかそんなもん!おまえがちゃんとお金貰わないのが悪いんだろ!

ドライバー:いいから早く払え!

俺:100ルピーしか払わん!嘘つくな!

ドライバー:お前が嘘ついてるんだろ!

俺:いい加減にしろ!こら!

 

暫く大声で言い争い、100ルピー渡して面倒なので無理やり離れようとすると、

 

ドライバー:しかたねぇ、150ルピーだ。

俺:は?何?お前、今安くしたな?

ドライバー:・・・

俺:何だよそれ。

ドライバー:150ルピーにしてやる。

俺:最初から100ルピーだろ。嘘ついたからダメ。

 

そうこうしているうちに、見かねた優しい宿のおじさんが仲裁に入ってきた。

 

おじさん:今回は150ルピーということにしようよ。

俺:何で?

おじさん:(小声で)150ルピー渡しておけって。明日来ないように言っておくから。

俺:(なるほど手切れ金というわけか)OK。分かった。

 

150ルピー渡すと、ドライバーは不満そうな顔をして去って行った。この時すでに深夜1時20分。電車も遅れて疲れてたのに、余計な体力を消耗した・・・

 

部屋に案内されると、確かに清潔ではない。ホットシャワーも微妙な温度。でも今日はここに寝るしかないので、(いたら怖い)南京虫対策をして就寝。ジャイプールの人たちの良さが瞬時に吹っ飛ぶ出来事でした。

 

続く。