サンチアゴ滞在記~ケチャップ泥棒とか~
久しぶりの投稿です。先日31か国目の旅行先となるチリに行ってきましたが、残念ながらそこでトラブルに見舞われまして、いろいろ大変でした。ここではトラブルに遭った時の対処方含め、1週間ほど滞在したサンチアゴについて紹介します。
<6月6日>
米国アトランタ空港からのデルタ航空便 DL147でチリはサンチアゴ国際空港に到着。時刻は朝8時。首都の空港の割には規模は小さく、季節が冬なせいもあって陰鬱な雰囲気もあります。
空港内にATMがあるのでここでチリペソをキャッシングできます。また、Simカードも購入できます。自分は到着ロビー出口付近にあるfotoなんちゃらというお店で店員おすすめのentelのsimを購入しました。米ドル使用可で$11(ペソならもう少し安いかもです)。標準サイズからmicro-sim、nano-simまで3種類を自分でカットできるタイプですので、誰でもすぐに使えるかと思います。購入したらお店のお姉さんにアクティベートしてもらいます。その後10分くらい待つとデータ通信のピクトが立ちました。なお、チャージ方法は
①市内のスーパーや薬局で「recargar(リカルガル)」と言う
②「numero(電話番号)」と聞かれるので店員に教える
③「compania(携帯会社)」を聞かれるので答え、
④「monto(チャージ額)」を言ってお金を渡す
という順番です。携帯会社のショップではチャージは出来ませんのであしからず。
Simを購入後、市内のホステルまで移動する方法はいくつかありますが、一人旅でさくっと移動したいのであればVIP-Transportという乗り合いタクシーが便利です。地区ごとに行き先が分かれていて、空港内のカウンターで行き先(ホテル名か地区名)を告げ、料金を支払うとシルバーとオレンジのカラーリングの車に乗せてもらえ、目的地の目の前まで運んでくれます。自分の場合は地区は「Providencia」、料金は7500ペソでした。
他には空港から直接タクシーを使ったり、バスで地下鉄1号線のLos Heroes駅まで行って(1900ペソ)、そこから地下鉄で移動する手段もあります。
今回お世話になった宿はVentana Sur Hostelというユースホステルで、結果的には正解の選択となりました。
Ventana Sur Hostel (Santiago, Chile) - Hostel Reviews - TripAdvisor
本来チェックインは14時からとのことだったが、先客がすでに出払っていたので朝10時にチェックイン。このホステルはキッチンがあり、近くにはスーパーもあるので、自炊派の人でも十分にやっていけます。
荷物を整理して、早速観光に出かけます。地下鉄5号線で数駅行くと、アルマス広場駅に着きます。旧スペイン植民地の国々では、この「アルマス広場」が市内の中心にあることが多いようですね。
ここから北上して中央市場を目指します。歩いて10分もかかりませんのでかなり近いですね。ちなみにサンチアゴは四方を山に囲まれているので、街からアンデス山脈が見えます。しかしこの環境のせいで、スモッグがひどく、大気汚染が問題となっているようです。
中央市場ではシーフードが食べられると聞いてやってきました。地球の歩き方にもそう書いてありますし(笑)まずは市場の中に入って物色してみました。規模は小さいですがさすが海産物も有名なチリだけあって、豊富な魚介類を見ることが出来ます。
そして市場の中心部にはレストランがあります。とりあえずなんでも良いのでシーフードを食べようと思い、市場のど真ん中にあるレストランで昼食をとることに。日本人だとわかると「ウニ、ウニ」と言ってくるのは本当でした(笑)
キャッチのおじさんが「ウニ、ウニ」言ってるのでここはウニをオーダー。お箸やワサビまでくれましたが使用せず、フォークで皿いっぱいのウニをいただきました。現地での食べ方は、写真上部にある玉ねぎ等やレモンをたっぷりウニにかけ、混ぜていただくというもの。初めての食べ方でしたが、まずまず。というか、こんなにウニ単品で食べたの初めてでした。まずまず。9800ペソなり。
昼食後は再び散策開始。アルマス広場に戻り、教会を見学。
首都の教会だけあって、内部は非常に豪華です。久しぶりに立派な教会に来ると感動します。
その後はアルマス広場南側のホットドッグ屋が軒を連ねる通りを散策。価格は近辺のレストランと比べると安いです(2000ペソ程度でおなか一杯)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しかし、この通りを抜けてアルマス広場から南下しようとした際、事件は起きました。いわゆるケチャップ泥棒(強盗)です。
まず下の図の①あたりで広場の中から「Hey Hola」と声をかけられ、振り向いている間にこっそりとケチャップのようなものを体の側面にべったり手際よく塗られます。でも最初は気づきませんでした。そのまま矢印の方向に歩いていると、次第にケチャップが臭いだし、事態に気づきます。そうすると、それを察したの如く、何回かに渡り幾人かのおばさんが駆け寄ってきて「あらあら大変じゃないの、これ(ティッシュ)で拭きなさい」と親切にしてくれます。
何人目か忘れましたが、下の図の②あたりで物陰に隠れて汚れを落とそうとして荷物を降ろしたのが良くありませんでした。その時にもちょうどよくおばさんが現れ、拭いてあげるわといいながら親切にしてくれている間に、荷物が一瞬のうちに消えました。盗難の瞬間です。中にはパスポート含め貴重品が入っていたので、これで予定の詰まった旅の継続が不可能になりました・・・人生で久しぶりに狼狽えました。
さて、盗まれた事実に気づいてからですが、盗まれた当日にやったことは
①警察に話をしようとしたが、現地はスペイン語しか通じないため、向こうの話が分からない上、こちらの英語は通じない。目撃者も見て見ぬふりをする始末。さらに狼狽える。
②幸い観光客集めをしているお兄さんが英語を話せたため、事情を説明し、警察署の場所を聞いて直行。
③警察署に行くも、整理券を取って順番が来るまで待つ仕組みで、軽く40人はいる。しかも英語だけではとても不利な感じがした。
④一旦ホステルに帰り、事情を説明し、そのまま大使館やカード会社に連絡。
➄大使館から警察署発行の証明書を取得するように言われ、ホステルの従業員とともに警察署に再び向かう。
⑥警察署で待つこと3時間半、調書作成で1時間を要し、ようやく証明書を入手。
⑦疲労しきって夜中10時前にホステル帰着。
というものでした。
幸いホステルの従業員が英語とスペイン語(とハンガリー語)を話せ、通訳として同行してもらったおかげで、警察署での手続きがスムーズに出来ました(待ち時間は長いですし、署内に来客用のトイレもない、そんな環境ですが、郵便局だと100人待ちなどはザラで、チリではマシなほうだったらしいです)。
ちなみにチリの警察の証明書には2種類あり、デヌンシア(denuncia)とコンスタンシア(constancia)があります。大使館の方曰く、コンスタンシアのほうが盗難保険等の問い合わせに便利だと言っていましたが、自分の場合は警察署で問い合わせたところ、「あなたは犯罪被害に遭ったので、デヌンシアです」と言われました。ちなみにどちらでもパスポートの紛失再発行は出来ます。
デヌンシアには1枚程英語で書ける紙がありますが、それ以外はスペイン語のみの調書で、通訳なしに記入は不可能のように思えました。下の写真はデヌンシア(英語)の冒頭部分です。
なお、パスポートの再発行(厳密には紛失に伴う新規発行)には、この警察の証明書のほかに、写真、戸籍謄本または戸籍抄本(コピー可能)、紛失届と新規発券届(これらは大使館で記入)、現金84000ペソが必要になります。この中で一番の難関は戸籍だと思いますが、これだけは何とかして手に入れるしかありません。戸籍はコピーで構わないとのことなので、自分は日本にいる親族にお願いして手に入れてもらいました。戸籍謄本または抄本は本籍地の役所に直接行くか、郵送でも取り寄せが出来ます。尚、コピーで代用する場合はパスポート発行後に戸籍本通を当該大使館に送付することが条件です。
パスポート用の写真は、大使館近く(徒歩5分ほど)の写真屋さんで即作成してもらえますので、現地調達可能です。他の国のビザ用の写真も撮ってもらえるので、便利かと思います。場所は大使館で教えてもらえますが、こちらも地図を載せておきます。
サンチアゴの大使館では書類を出した当日午後に新パスポートを発行してもらえたので、準備さえ整えばリカバリーはすぐ可能でした。
この手の泥棒から被害を防ぐためには、
ケチャップが付こうが何が付こうが、形振り構わず無視し、絶対安全な場所(宿)まで帰る。臭いがしても、周りの人が何を言おうとも、全シカト。
これしかないのではないでしょうか。貴重品を持ち歩くな、というのは大前提ですが、時には持ち運ばないといけないこともあるでしょう。貴重品を分散して万一の被害を最小限にするのもそうでしょう。現地人と同じような服を着て目立たなくするのも作戦です。しかし、ケチャップをかけられてしまう、その行為自体を防ぐのは、いったんターゲットにされてしまうと難しいように思います。サンチアゴではアジア人顔はかなりレアですので、格好のターゲットになるようです。
また、チリは南米の中では治安のいいほうとのことですが、今回被害に遭ったアルマス広場を中心とした旧市街は治安も良くなく、後日一文無しでアルマス広場を実験的に歩いてみましたが、一般的なスリの未遂に3回遭いました・・・なのでサンチアゴを旅行される皆様はくれぐれもお気を付けください。
余談ですが、ホステルの主人も数十年前にニューヨークに初めていった時、盗難で身ぐるみはがされた経験があり、こういった経験の辛さも良く分かってくれました。ホステルの従業員も事態解決に非常に強力的で(警察署で通訳してくれるなど)、これは不幸中の幸いだったと思います。また、ホステルで他の旅行者と話をしていると、いろんなパターンで盗難に遭っている旅行者がいました(長距離バスで入国審査中に盗難、地下鉄で携帯をひざ上に置いた瞬間に掃われた等)。気を付けることは当然ですが、被害に遭ってしまった時にどう行動するか、予めシミュレーション出来ておくと安心だなぁと改めて思いました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、その後ですが本来であればイースター島に行く予定がこの件のせいでキャンセルになってしまったため、仕方なくサンチアゴにしばらく滞在することにしました。といっても、サンチアゴは観光名所がたくさんあるわけではなく、まして季節も冬なので空気も悪く、特にすることもなく、ブラブラとしていました。
一番よく通ったのは、コンスタネラ(ショッピング)センター
です。下の写真の右にある南米一高いタワーの下が近代的なショッピングセンターになっており、スーパーからフードコート、ブランドショップなど一通り買い物ができます。H&MやZARAなどもあり、ちょっと値段は高いですが、欲しいものは買える環境です。wifiも利用可能です。治安もセンター内はマシだと思います。
あまりに暇でネットでいろいろ調べていると、サンチアゴにもアジア食品を扱うお店があるとのことで、せっかくなので足を運んでみました。下の地図の赤い部分の通り(Antonia Lopez de Bello)に、いくつか中国資本や韓国資本のお店があり、日本の物も購入可能です。最寄りは地下鉄5号線のBellas Artes駅でしょうか。
そのうちの1軒の中国屋。
自分は衝動を抑えられず
・そば
・めんつゆ
・キッコーマン醤油
・サッポロ一番(インスタントラーメン)
・キンパ(韓国の巻きずし)
などなど買ってしまいました。お値段はもちろん高いですが、地球の裏側で日本食を調達できると思えば安いものです。キンパも韓国本場の味を100とすると80くらいですが、全然許容範囲内のお味でした。他にも調味料なども豊富ですので、イースター島に行く前など、日系物資の調達にはもってこいだと思います。ちなみに市中のスーパーではキッコーマンの醤油ぐらいしか置いてません(青島ビールはありましたがw)
また、市内の日本食レストランもトライしてみました。1号線Universidad Catolica駅近くの「Panko」です。エビとカリフォルニアロール(ゴマ)で約7000ペソ。結構なお値段です。味はまずまずですが、アボカドとクリームチーズがもれなく入っているので、日本のお寿司とは全く別物。また、醤油が甘く、ワサビも甘くてびっくりでした。
また、ホステル近くにもたくさんレストランがあるので、そのうちのペルー料理を試してみました。Misturas del Peruという小じゃれたお店です。
http://www.misturadelperu.cl/index.html
ペルー料理は以前リマで非常においしいパスタを食べた経験から期待値が高かったわけですが、こちらの料理も文句なしで美味しかったです。注文したのはエビとサーモンのソテー、10000ペソとお高いですが、間違いなくおいしかったです。ペルー料理の味付けは日本人にも合うと思います。
食後にはデザートの営業もすかさずやってきて、せっかくなのでチョコレートケーキを注文。見た目に反して甘くなく、量は多いもののペロリ。食後のコーヒーも含めて19000ペソほどでしたが、非常に満足でした。
また、市内からサンチアゴ空港へのアクセス方法はいくつかありますが、今回はUBERを利用することにしました。アプリを起動すると数分で配車可能だったうえ、タクシーよりもはるかに豪華できれいな車(ヒュンダイのセダンタイプ)が来て、運転手も気さくで満足でした。費用は約30米ドル。もしUBERの登録をしている方であれば、チリでも利用する価値はあると思います。
今回は残念な結果に終わってしまいましたが、次回必ずリベンジしてイースター島に行きたいと思います。